皆さんは、「コーヒーの実」を見たことがありますか?普段目にするコーヒー豆からは想像できませんが、コーヒーの木は白い花を咲かせた後、数ヶ月後には丸い真っ赤な実をつけます。
この実がサクランボに似ていることからコーヒーの実は「コーヒーチェリー」という可愛らしい名前で呼ばれているんです。
このコーヒーチェリーを乾燥させた時に残る、ピスタチオのような緑色をした楕円形の小粒の「種子」こそが、コーヒーの生豆になります。
コーヒー豆は「アラビカ種」「カネフォラ種」の2つの主な品種から、突然変異や交配、品種改良などにより様々な種類に分類されています。品種ごとに味や香りに個性があります。
主にレギュラーコーヒーに用いられる。味は良いが病気に弱く、土壌を選ぶ。世界のコーヒー豆の7割を占める。豆のサイズは1.5〜2cmほど
インスタントや缶コーヒーに用いられる。病気や暑さに強く、土壌も選ばない。豆のサイズはアラビカ種より小さめ。 生産されているカネフォラ種のうちほぼ全量がロブスタという品種であることから「ロブスタ種」と呼ばれることもあります。
特に日本ではこちらの方が通りが良いようです。アラビカ種が病害で壊滅的な被害を被った際に代替品種として世界中に広まりました。最近では良質なロブスタ種も出現。
コーヒー豆は、コフィア属に分類される「コーヒーノキ」という植物の種子を加工したものです。コフィア属の植物はかなり種類が多いようですが、現在世界中で 飲まれているコーヒーを生み出しているのはそのうちのわずか2種類、アカネ科アラビカ種とアカネ科カネフォラ種に属する品種です。
コーヒーノキは熱帯・亜熱帯地方で育つ多年生の植物で、冬に気温が下がりすぎる地域では育てることができません。しかし、一年中同じように暑い地域でも ダメで、昼夜の寒暖差が激しいほど良質なコーヒーが育つといわれています。
そのため、現在栽培されている地域は赤道を中心とした、いわゆる「コーヒーベルト」内に集中しており、この中でも標高の高い地域のものほど高いランクをつけられて流通しています。